――別に、わたくしはレト王子の『なに』というわけではない。
ただ、魔王親子を養いながら、仲間と共に豊かな魔界を目指すお手伝いをすると心に決めているだけだ。
だから……レト王子がわたくしの眼前でしっかりナンパをしている場面を見てしまったとしても。ステラさんが即OKしてしまったのも――わたくしの人生においては全く関係ない話なのだ。
……けれども。
わたくしは食事が終わった後、なんとなく悶々としながら与えられた自室に通して貰ったわけだが、解散後二人がどうなったかなどが気になってしょうがない。
明日も早いんだから疲れを癒やしてとっとと寝るがよろしかろう……という時間になりつつあるというのに、なんだか……レト王子とステラさんのことを考えると、胸のあたりがモヤモヤするというか、何を話してたのか、距離感、表情などが気になるというか……。
それに、レト王子……わたくしのことを好きって一時期びっくりするくらい言ってたのに。結局美人が良いんだ……魔王様に言いつけてやる。
というコトまで考え始め、はっとする。
――なんてことでしょう、わたくし……これって。
ヤキモチ妬いてるみたいじゃない……?
「違いますわよ、わたくし別にそんなんじゃ……もう!」
聞いている人など誰もいないのにわたくしは弁解しはじめ、行き場のない感情の向かった先は……借り物の枕をポカスカと叩くこと。
枕から出てくるのは文句ではなくほこりだけなので、それを吸い込んでしまって少しだけ咽せた。
相手の思わぬ反撃に遭ってしまったが、身体を動かしたせいか、大きな声が出たせいか……少しだけ気分が落ち着く。
「ふん、別にレト王子が大人の階段をのぼろうが何しようが、わたくしには関係ありませんわ……そうだ、もう寝て忘れましょう」
寝具を整え、明かりを消そうとランプに手を伸ばしたところで、部屋の扉が叩かれる。
誰だよこんな時間に。
「はい?」
「レトだけど。今大丈夫?」
なんと、ナンパ野郎のレト王子がわたくしの部屋にわざわざ来やがったのである。
今更なんなのかとか、自慢でもされるのかとかいろいろと勘ぐりまくりなのだが、ギリギリ寝る前だから良いかと思って部屋の扉を開く。
レト王子は先ほどと同じ格好で立っていて、寝間着姿のわたくしを見て恥ずかしげに視線を逸らした。
「ね、寝るところだったんだね……ごめん、時間的にそうだよな……」
「……あ、あらやだ、わたくしも上に何か……着けるべきでしたわね」
寝間着は決してセクシーなものなんかじゃなく、飾り気のない白いワンピース型の寝間着なのだが、通気性を考慮したのか生地は薄手なので……ドレスとは少し違って、ふわふわと風に揺れやすい。
若干気まずい雰囲気が流れつつ、わたくしはどうしたものかと思案する。
わざわざお休みを言いに来たような感もなく、入り口で何かを数分話すのも周囲に聞こえるし躊躇われるのだが……。仕方がない。
「……少しの時間でしたらどうぞ」
「えっ」
部屋の戸を少し開いて招き入れようとすると、どういうわけかレト王子は声をうわずらせ動揺した。
「あの、いいの……?」
「いいのって……少しの時間話すだけでしょう? 構いませんわ」
すると、なんだと言いたげにレト王子の顔が元に戻る。
「……それもそうだ。リリーはそういう感じだったね」
「何か良からぬことを考えているのなら、問答無用でお休みなさいませと閉めますが?」
わたくしはドアの側面に頭を預け、半眼で睨めつけるようにレト王子の顔を見つめた。
ふん、みんながみんな、その顔にコロッといくとは思わないことだ。
「……それじゃ、数分だけ」
お邪魔しますと礼儀正しくご挨拶をして、レト王子は室内に入る。
場所は違っても、レト王子の部屋に行ったり部屋の中に入れたりは慣れてきてしまっている。
もちろんわたくしたちに何かあるわけじゃないことと、彼を信頼しているからできる行動なのだが。
「……ふぅん、造りは俺の部屋と同じなんだね」
「他の部屋のことは存じませんが……あ、お茶も出せませんけれど、どうぞ椅子に」
椅子は一脚しかないので、レト王子に譲ってわたくしはベッドに腰掛けた。
ここにレト王子を座らせるわけにいかないので当然のことなのだが、寝間着姿で通したのは子供の頃以来なので(今も子供じゃないの? と言われたら否定はしづらい)ちょっと緊張する。
「それで……わざわざこんな時間に改まって、寝る前のわたくしに何の話がおありですの?」
「随分棘がある言い方をするね……まあ、こんな時間だとそう言われるのもしょうがないか。ごめんね」
レト王子はさっきのことだけど、と恐らく用件であろうことを言い始める。
「ステラとのことだけど。気にしてると困るから、そういうんじゃないって言いに来たんだ」
違うって言うのになんか『ステラ』って呼び捨てにしてるけど。
まあいいけどさ。レト王子がさん付けにしてる人今までいないし。
「べ、別に……わたくし、レト王子が大人の階段をステップしようがスキップしようが、お二人のことを気にするようなことは何もございません」
「……スキップ? でも、部屋に戻る前までチラチラ見てたじゃないか」
「みっ、見ておりませんわよ、あなたのことなんて……!」
気のせいじゃありませんか、と言ったのだが、レト王子はくすぐったそうに笑っているだけだ。
「あれ……ステラじゃなくて『あなたのことなんて』か。ふふ……嬉しいなあ。でも、リリーのいうとおり……俺なんて見てないってことにしとくね」
……何かポロッとやらかしてしまったようで恥ずかしいが、知らぬ存ぜぬを続ける以外になさそうだ。
「と、当然ですわね。まったくもう、自意識過剰ですわよ」
決してわたくしはツンデレキャラとかではない。
だというのに、なんだかレト王子は優しいお顔でうんうん頷いているし、だんだん決まりが悪い……は、恥ずかしい……!
「あ、それでね……ステラに確認したいことがあったから、呼び出してストレートに尋ねたんだけど、うまくはぐらかされちゃってね。そのままうやむやにされて逃げられちゃった」
「……それでわたくしの所に来たのですか。慰めては差し上げませんよ」
「いいよ。リリーのやきもちなんて可愛いところも見られたから、充分足を運んで良かった」
レト王子は以前のように抱きついたりなどのスキンシップを図ってこないが、たまにこういう恥ずかしいことを言ってくる。あ、これは前からだったか……。
「やきもちなんか、誰にもしてませんわよっ」
手をぶんぶん顔の前で振って否定するが、レト王子は和やかな表情でスルーしてくださった。きちんと理解されているだろうか……いや、してない。
「……やきもちじゃないなら、俺の気持ち、きちんと信じて受け止めてる?」
急に真面目な顔でそんなことを言うので、ぴた、とわたくしの動きが止まってしまう。
「と、いいますと……?」
「リリーに対する俺の気持ち、まさか忘れてるわけじゃないよね?」
そうはっきり言われてしまうと、わたくしはどう答えて良いのか全く分からない。
「えー、と、あれから、結構経ってますから……」
「そうだね。しばらく口に出してないし。じゃあ信じてないんだ。ひどいなぁ」
「あー、えー……相手に対する気持ちって、軽々しく口にすることでは」
「本気なんだから良いでしょう? リリーってすぐそういうの忘れちゃうからね……わざとやってるんだったら、怒るよ」
そう言いながら椅子から立ち上がり、レト王子はわたくしの前に跪くようにして床に片膝をつくと、じっと目を見つめてくる。
「っ、あの……レト王子、困ります」
「リリーは、ジャンやエリクのことは呼び捨てなのに……普段からレトでいいよって言っても、俺のことは全然言ってくれないよね? ちょっと呼んでみてごらん」
「敬称をつけて呼ぶのは当たり前です、畏れ多いですからっ……なんなら殿下と言っても……」
アリアンヌでさえ、クリフ王子のことは『クリフォードさま』だぞ。わたくしにアリアンヌ以上にアレな存在になれというのか。
「いやだ、殿下なんて俺には似合わないよ。今は部屋に二人なんだし、身分とか別に考慮しなくても良いでしょう? ほら……」
妙に甘い囁きとイケメンオーラで、そんなことを強要しないで欲しい。
「レト王子……」
「やり直し」
「レト、おうじ」
「惜しい」
惜しいとかそういうことではない。やめたい。
「あの、顔近いので……もう少し間隔を意識してください」
ぐいっと肩を押したが、何故か逆らってもっと近づかれる。
あまりこっちに身を乗り出されると、距離を離したがるわたくしが、そのうちベッドに倒れ込んでしまうので困る。
「わざとやってるんだもの」
「……最近、性格がよろしくありませんわよ」
「リリーのせいじゃないかな? いつも俺に嫉妬させるから……少しくらい困らせるのは悪いことじゃないと思うんだけど、どう?」
わたくしのせいではないです――そう思ったが、わたくしはここで……とある能力値を思い出したのだ。
多分、という仮定だけなのだが……レト王子には【病みパラメータ】とか【嫉妬パラメータ】みたいな数値があるんだと思う。
いや、そんなもの人間の心の機微なら誰だってあるだろ、と言われればそうなのだが、魔王様もいっていた。レト王子は(愛とかいろいろ)重いはずだと。
だからわたくしが知らぬ間にやってきた行いや言動で、負のパラメーターが蓄積されている。
それが今回、ある程度形になってしまった気が、する……。
……ちなみに、同じようにクリフ王子にはわたくしへの【断罪ポイント】があるんじゃないかと思う。
これが規定以上溜まると、わたくしは処刑されるんじゃないか……と仮定している。
「リリー、こんな状況で他のこと考えてないか? そんな余裕あるなら遠慮しなくて良いかな」
うわ、ちょっと能力値のことを考えている間に、顔が近い……! 近い!
「レト、おう、じ? もうおやめくださらない……?」
「レトと言ってくれたら終わるだけなのに? 地上の人の前ではレトって呼んでるのに、二人だけになるとそんなに難しい? あ、リリーってまつげ長いね……」
あなたも充分、長いんですのよ。ていうか顔良すぎない……?
ヒッ……、もうだめだ……わたくしの心臓は耐えきれずに激しくバクバクしている。聞かれていないことを祈ろう。
顔も赤くなってて恥ずかしいのに、顔を隠そうとした手がそっと握られて、レト王子がダメだよと囁いてくる。やめろ、追い打ちを掛けるんじゃあない!
「どうしてなんだろうね……簡単なことを言ってるだけなのに、リリーが強情だから……なんだかいけないことをしてるような気分になっちゃうじゃないか。本当にそうなる前に、なんとか終わらせて欲しいんだけど」
いけないことしてる気分……『そうなる前』というのはすなわち『いけないこと』なのだ。
大人の階段のアレソレである。深夜のアニメ番組みたいな、ああいうことがあってはいけない!
わたくしたちはそんなことをするために合宿してるんじゃないんだぞ!
異性とのイイカンジのムードに免疫がないと言っても、もはや差し支えないし認めざるを得ない。
わたくしはこういった、リアルな恋愛経験はほぼ――ない。
こうして、からかわれてもあしらうことは、まだできないのだ……!
「レ…………、ト……ぉっ!」
やった、言えた!!
言っておくが……わたくしは極めて真面目に行動した。
変な呪いがかかっていて、名が呼べない……とかでもない。
ただ、やっぱりこんな至近距離で相手に名を呼ばせてはいけないんじゃないかと、思うわけで……口が緊張してしまうのだ。
王子、というのを必死で飲み込んで、なんとか呼び捨てにした。
「…………まあ、いいか……しょうがない……頑張ったね」
本当にオマケでしょうがなく合格を出して貰った感が満載なのだが、レト王子は諦めて距離を取った。ああ、助かった。生きてるって素晴らしいことだわね。
「それでね、リリー」
「は、はい……?」
なんだか猛烈に疲れたわたくしは、返事をするのもやっと……という感じで答えると、レト王子はステラ達のことなんだけど、と声をひそめながら言う。
ついでにちゃんと風の精霊の結界も展開していたので、どうやら重要な話らしい。
「……彼女達は、多分……魔族の血も入ってる」
「……えっ?」
「スライムや魔狼たちと同じように、俺と同じ種族だという感じがするんだ。彼女たちも多分それを感じて、俺にはリリー達と違う言葉遣いだったと思うし……」
そう思ったから本人に訊いた、でもはぐらかされた……ということだろうか。
「仮に、そうだとして……?」
「うん……彼女たちはここできちんと暮らしてるし、一団を率いているわけだろう? 俺が口を出すことじゃないけど……もし、魔界で暮らすのも興味があるなら話だけでも良いかなと思って」
「……なるほど……」
そういえばステラさん、半獣人といっても『いろいろと混ざってる』って言っていたし、魔族の血も混ざっているとすれば……さすがに言いづらいだろう。
「魔族を大事にしたいというお気持ちも、わからなくはありませんけれど……『あなたは魔族だと思うし、自分は王族。それはさておき魔界で暮らす気はないか』……そう言われたほうとしては突然すぎて穏やかではいられないでしょう」
「そんな極端な話は振っていないよ……。あなたにも魔族の血が入っているのではないか、と聞いたから、少なくとも俺が魔族だという匂わせ方はした」
ある程度バラしているにも関わらず、レト王子が困っている様子は見られない。
ステラさんが脅しに屈するタイプであるとは思えないが、魔族であるということをどうしても隠したい場合、レト王子が同族であると知ったら何が目的でそんな話をしたのかは気になるだろう。
……まず無いと思う選択肢として、レト王子に口封じや危害を加えるということ。
それがあったら……うん、その可能性を考慮してわたくしに今こうして話をしたとすれば、後はよろしくね、的に託されてしまう。
そして、わたくしにも何かとばっちりが来れば、最終的にジャンが動いてしまう。そうなるとステラさんだって、大っぴらには動かないだろう。
そういったことを全て見越して、レト王子は行動した……?
「もしや……わたくしに協力しろと仰っているのでしょうか」
「してくれないの……? 俺たちは一心同体だと思っていたのに」
そんな可愛く言って、乙女がクラクラするようなことを言っても……ぐっ、わ、わたくしの手を握って、じっと見つめてくるのは卑怯だぞ。
「お願い。こういうの、リリーしか頼れないんだ……」
そんなあざとい言い回しでお願いしないで!! それに、わたくし以外に頼めないでしょうよ、そりゃそうだよ……。
ああ、でもなんか、不安そうに見つめられるとどうしても……しばらく鳴りをひそめていた、オカンスイッチなのか乙女スイッチなのか分からない何かが、オンになってしまう……!
「わ、わかりましたわ! 特訓が終わってからなら良いですわよ!!」
「ありがとう、リリー……大好きだよ」
うぐぐ、推しの笑顔が最高に可愛い……というかさらっと好きって言うのやめて……心臓が壊れちゃう……。
「ひとたらし……!」
「人聞き悪いなあ。リリーと違って、誰彼構わずたらしこんでないよ。俺が愛情を注ぐのはたったひとりの女性だけだっていうのに、その人は全然俺の感情に気付いてくれないし……」
「そんな女、この世にいるわけありませんわ……」
「…………じゃあ俺は壁に向かって話しかけているのかな? 病院行ったほうが良いよね……どう思う、リリー……ああ、俺の幻想の女性だったっけ……?」
自虐的な言葉が彼の口から飛び出してしまった。ていうか静かに怒っている。
「申し訳ございません……ここにいます……」
ここはわたくしが降参するほかない。
というか、病み値を増やすと後でわたくしが結局困るのだ。
「……もう。素直に頷けば良いだけだったのに、こんな寂しいことを言わせないでよ」
「……すみませんでした……わ、わたくしはここにこうして、いますから」
「うん」
「……と、とにかく、合宿中は……訓練が終わったら、お手伝いしますわね」
「うん……」
わかった、的な返事をされているが……じっと、レト王子は何かを待っている気配がある。
「……それだけ?」
催促された。
「それだけ、とは……」
聞き返すと、レト王子は肩をすくめる。ちょっと残念そうな顔をしていたので、わたくしは必死に考えた。
「あっ、そうか、おやすみなさいませ……今日は特訓お疲れ様でした!」
「…………」
レト王子は無言で微笑んでいるが――……労いの言葉を書けた途端、無言の圧が漏れ出ているのが伝わってくる。
「……リリーって、実は俺のこと嫌い?」
「えっ!? そんなわけございませんわよ! なぜそうお感じになったのですか!」
「今までの話の流れで、そう思わない男はいないと思うんだけど……」
「嫌いなんかじゃありませんから! 絶対!」
信じて! という気迫を乗せてレト王子に訴えると、彼は口元に手を当て……笑っているのではなく、本当に迷っているようだった。
そこ、迷うところなの? わたくしそんなにレト王子に不審を抱かせているのか……!?
「……嫌いじゃ、ない?」
「全然!!」
それじゃあさ、と、レト王子は切なげな顔をする。
「俺のこと……好き?」
この好きは、人間的にの意味ではなく、感情的な意味で聞かれている気がする。
気がする、じゃなくてほんとにそっちだろう。
なんで、急にこんな展開に……! 好きか嫌いかでいえば大好きですけど、決していちゃつきたい意味の大好きは……いや、どうなんだろう……。
「多分――」「多分とかナシで好きか嫌いか教えて」
うわ、普通という選択肢はないの?
わたくしには、レト王子の期待と不安の入り交じった眼差しが向けられたままだ。
相手に好きだと伝えても、自分に対して好意的な感情が届かなかったら不安にもなるのだろう。それは、わかりますがっ……! いざ言えと言われると凄く怖いし、恥ずかしいし、キモがられたらどうしようとか、いろいろ考えちゃうな……。
「……わたくし、レト王子のこと……っ」
「う、うん……」
どうしよう、レト王子の緊張まで伝わってくる。空気が張り詰めていて、言葉を発するのも躊躇われるくらいだ。
「す、すっ……」
「……」
「……すごく緊張して……あ、だめ、ちょっとお待ちに……」
「……もういい、帰る……」
緊張を急に解いた……というより、付き合ってられないというような態度で、大きなため息を吐いたレト王子は、おやすみと言い残してわたくしの部屋から出て行った。
わたくしは鍵を閉め直すと、とぼとぼベッドに歩み寄って……もそもそと中に潜り込む。
……わたくしはもしかしなくとも、ヘタレというやつだ……。
好きって言うのがこんなにも大変だとは……いや、ちょっと待とう。
わたくし『好き』って言うつもりだったよね、今。
嫌いな相手にときめいたりしないけど、ああだめだ『でもでもだって状態』になってしまってる……。
いい加減認めたほうが良いこともあるにせよ、いざ認めてしまうと今までと同じような感じでいられるかどうか……。
――わたくし、これってレト王子のこと好き……なの、かしら……。
いつからそうなのかは分からないけど、側にいなかったら不安になるし、嫌われたら絶対に悲しい。というか嫌われるのは、拒絶されるのはいちばん怖い。
わたくしは今更ながらに自覚し始めた感情について、困惑しながら眠れぬ夜を過ごすことになったのである。